原理と装置
原理
TEP(TOTAL ELECTRIC PURIFY)工法に於ける浄化の原理は「電気浸透」と呼ばれる電気化学的な流動現象を応用したものです。電気浸透とは、「液体と固体が接している所に電圧をかけた場合に、液体が移動する現象」で、19世紀初め、ロシアの物理学者フェルディナント・フリードリヒ・ロイスによって電気泳動と同時に発見されました。
TEP工法に於いては、この電気浸透現象を土壌汚染の現場で発生させ、 土壌中の液体の移動を制御することによって、問題の土地から重金属を始めとする有害物質を除去します。
装置
土壌汚染の現場で電気浸透現象を発生させ、有害物質を液体の移動と共に制御し、更にその有害物質を土壌から切り離すには以下の様な工程が必要になります。(土壌から切り離した有害物質の処理については、その物質の種類に応じたものとなる為、ここでは割愛します。)
- 土壌への注水(電気浸透現象の発生可能な環境を構築する。)
- 注水した土壌への電圧負荷(電気浸透現象を発生させる。有害物質は水の流れと共に、陽極から陰極へと移動する。)
- 土壌から脱水(脱水を陰極側で行うことで、有害物質を水と共に地上に揚げ、管理可能にする。)
「 電極管」と呼ばれるこの装置は、複数の部品が組み合わさった「機械」というより、「部品」そのものに近い、非常にシンプルな構造物であるため、故障のリスクは殆ど無く、再利用が可能。
製造も安価にして容易です。 (電極管のみで工法が完結する訳ではなく、他にも真空ポンプや発電設備などが必要になります。)
電極管は、規定の間隔で複数本設置する必要があり、必要本数は汚染現場の広さに比例します。